田舎の島を出て、東京で暮らす三人の兄弟。
長男(西村雅彦)と長女(中嶋朋子)は家庭を持ち、
次男(妻夫木聡)は一人暮らしで、それぞれ暮らしている。
そこに突然、島から歳をとった両親(橋爪功、吉行和子)が訪ねてくることになった。
三人の兄弟は両親を迎え入れる準備をし、
両親も子供たちの暮らしぶりをみることができて安心するが
東京に慣れず居場所のなさを感じるふたりであった…。
これまでの人生とこれからの人生をみてしまったような、
この、なんともいえない虚無感は、多くの人も感じているのだろうか。
それとも、私の家はもっと幸せです。とか私の家はもっと不幸です。って言うだろうか。
生まれて、家族がいて、歳をとって、結婚して、子供を産んで、老いて、
死んでいくこの当たり前を、受け入れることができなくても、
私たちはどうしたって経験するのだから、この映画からは目を背けられないのだ。
結婚も出産も葬式も、自分の身におこらなくても必ず身の回りでおこっている。
歳をとるとだんだんとその数も増える。
最後には親を看取る。
はたまた自分も看取られる日が来る。
老いなくても、健康でも、二年前のあの日のように
突然すべてがなくなるときもある。
老いなくても、健康でも、二年前のあの日のように
突然すべてがなくなるときもある。
いくら悲しくても人は死ぬ。
それだけはわかる。
81歳の山田洋次監督にはなにがみえているだろうか。
映画館には年配の方もたくさんいて、監督の長い映画人生を思って感銘を受けた。
大切なひとができたらもう一度、子供ができたらもう一度、
老いて死ぬ前にもう一度、この映画を観てみよう。
私にとって大事な一本。
ここは東京、
mimico.