Archive for 1月 2013

『東京家族』

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田舎の島を出て、東京で暮らす三人の兄弟。
長男(西村雅彦)と長女(中嶋朋子)は家庭を持ち、
次男(妻夫木聡)は一人暮らしで、それぞれ暮らしている。
そこに突然、島から歳をとった両親(橋爪功、吉行和子)が訪ねてくることになった。
三人の兄弟は両親を迎え入れる準備をし、
両親も子供たちの暮らしぶりをみることができて安心するが
東京に慣れず居場所のなさを感じるふたりであった…。






これまでの人生とこれからの人生をみてしまったような、
この、なんともいえない虚無感は、多くの人も感じているのだろうか。

それとも、私の家はもっと幸せです。とか私の家はもっと不幸です。って言うだろうか。

生まれて、家族がいて、歳をとって、結婚して、子供を産んで、老いて、
死んでいくこの当たり前を、受け入れることができなくても、
私たちはどうしたって経験するのだから、この映画からは目を背けられないのだ。

結婚も出産も葬式も、自分の身におこらなくても必ず身の回りでおこっている。
歳をとるとだんだんとその数も増える。
最後には親を看取る。
はたまた自分も看取られる日が来る。
老いなくても、健康でも、二年前のあの日のように
突然すべてがなくなるときもある。

いくら悲しくても人は死ぬ。
それだけはわかる。

81歳の山田洋次監督にはなにがみえているだろうか。

映画館には年配の方もたくさんいて、監督の長い映画人生を思って感銘を受けた。

大切なひとができたらもう一度、子供ができたらもう一度、
老いて死ぬ前にもう一度、この映画を観てみよう。
私にとって大事な一本。

ここは東京、




mimico.


border

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安心と空虚
興奮と冷静
危機と期待
私とわたし



mimico.

moiré

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ひとりでもみみこ




ふたりでもみみこ




さんにんでもみみこ




よにんでもみみこ




ごにんでもみみこ




ろくにんでもみみこ






すたじおみみこ





『映画 鈴木先生』

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『映画 鈴木先生』/河合勇人(2013)




「鈴木先生」はひとりの人間の中にいる何人もの自分の存在を再認識させてくれる。
不埒な妄想も、口には出せない欲望も、葛藤も苛立ちも、あってよいのだと教えてくれる。

学生時代、閉鎖的な世界での人間関係や、
大人になったつもりの大人たち、大人になれない大人たち、
気付いているのにどうしようもない社会の理不尽
そういったものが客観的に描かれていてあらためて考える。

考えても解決しないことばかりの世界だ。
それでもこの世界で生きていかなければならないのならどうするか。

アルジェリアで日本人が死んだ。
明日、電車でとなりに乗った人に刺されるかもわからない。
それは防ぎようもない。きっと。

そういう世界。

だけどその中でも生き甲斐や素晴らしいことはあるよねっていうのが「鈴木先生」の締め。
エンドロールも飽きない工夫がされていてよかった。


言葉にできないもやもやしたものを代弁してくれる素晴らしい映画である!






mimico.

melt.

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mimico.

海火事

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誰に何と言えば伝わるのかわからないから
もう死んでしまいたいと思っている。








神様がやってきて
「すべては嘘でした。」
と言ってくれたら楽になれるのだろうか。






それでも悔しいことに
脳裏に焼き付いた記憶が突拍子もなく現れて
心臓をえぐるからもう解決しないんだろう。








「もっと適当に。」
なればいいのにね。







求めることに疲れて
辿り着くのはどこなのか



地球の記録から消えるまで
あと30日。


mimico.


『あるいは佐々木ユキ』

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『あるいは佐々木ユキ』/福間健二(2013)




正直にいうと少し物足りない。
でも私がそう思う部分は想像力とかそういった類のもので補えるのかもしれない。
私にとって想像力を働かせるような共感要素がなかっただけかもしれないし、他の人もそう感じているのかはわからないけれど、雰囲気に頼っていますという感じは否めなかった。

詩の中の言葉はとても自由で都合がいい。
それは反復できるし、自分なりに解釈できる。

何を伝えようとしたのか、探り探りで考えていた。

佐々木ユキには両親がいて、兄もいて、でももう一緒には暮らしていない。
今は一人暮らしをしていて、凹凸のない日々を過ごしている。
空っぽの自分に水を注ぐ存在がどこかにいて、その誰かを探している。

誰にでもあてはまるといえばあてはまるし
誰にでもあてはまらないといえばあてはまらない。




詩集を持っていくと学生料金でみれてお得。




mimico.


波の所在

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海がみたくて飛び出した。
朝になる前に。
朝になったら何かが変わる気がしたから。

海に着いたら空は曇っていて
朝日は雲に隠れていて
誰も私の味方ではなかった。

波は規則的に不規則に
押しては返した。

あの波はもう二度とはやってこない。
今頃は。


mimico.