『恋の渦』/大根仁(2013)
これはおもしろかった。
典型的といえば典型的だけど、おもしろかった。
登場人物は8人(+1人)
全員が集合するのは最初の場面だけ。
あとは4つの部屋をひたすら行き来する場面展開。
とにかく脚本がよくできていると思う。
カット割りもとくにこだわっているわけでもないし、
出てくる4つの部屋も作りこんであるもののアングルは変わらず定点的に撮られているし。
キャラクターの個性や抱えている問題、そういう細部に気を遣っている感じがしてよかった。
口癖や話方、そういう演出をわざとらしいくらいわざとらしく演出するあざとさもよかった。
大根さんらしくて。
バカバカしくて痛々しくて、くだらない人間関係を上手に描いていて
そんな姿みてわたしたちは嫌悪感や蔑みを覚えるのだけど
この映画をバカにできないのは私たちの生活のどこかとこの映画がどこかつながっているからだと思う。『恋の渦』に出てくるキャラクターはあまりにも誇張されすぎているかもしれないけど、8人の誰かに自分を置き換えたり、誰かを置き換えたりして観ることができるから、おもしろい。
役者陣も普段テレビに出ている有名人だったりしないからこそ、より共感できることができるし。
現代日本のラブポップカルチャー映画『恋の渦』。
7月に渋谷シネクイントでレイトショー1週間やるようなので見逃した方はぜひ。
mimico.