『あの娘が海辺で踊ってる』/山戸祐希(2011)
監督、年下、大学生。
内容とか関係なく刺激を受けないはずがない作品だった。
本編が始まってからしばらくはがっかりしていた。
いまどきの学生映画じゃないか、という感じでこの程度か、と思っていた。
上映が終わり、謎のパフォーマンスと中森明夫のトークショーを終えて
帰りの電車の中でずっと思っていた。強い衝動だった。
彼女たちをバカバカしいと思うことは簡単だ。
でもそうは思わない。
「映画未満」だ、と言われるように、
映画としての機能をこの作品が果たしているかといったらそうではない。
しかしなぜこの映画が評価されるのか。
それはきっと作り手に可能性を感じるからだと思う。
「こいつら、おもしろい」
と思わせる力があるんだと思う。
それはとても悔しいこと。
でも見習うべきこと。
馬鹿にするのは簡単だ。
否定することは受け入れることよりもずっと簡単だから。
映画はあくまでもキッカケで、
彼女たちが会場で配っていた「あの娘新聞」やパフォーマンスすべて
形にしてしまうことが彼女たちの力。認めざるを得ない。
もう一度、映画を撮ろう。
私は映画を見ている途中から、帰りの電車もずっとそう思っていた。
そう思わせてくれる作品だった。
mimico.