「好きになるって普通じゃない」
笑いの起こるコメディ節から、ハッとさせられる哲学的な台詞まで。
セックスに始まり、おしっことかうんことかって言葉が飛び交う。
それは普段使うことを避けたり、恥ずかしがったりしてしまうのだけど、
よく考えたらものすごく身近で、誰でも知っている言葉、行為だなと改まる。
私たちが存在していることと、セックスはだいたいおんなじことだ。
好き ということも。
世界にありふれていることに疑問を持つことをよく考えさせられる舞台だった。
ちょっとした言葉の使い方とか、その言葉の持つ意味とか、
口には出さないけど思っていることとか。
好きなもののことをなんで好きなんだろうとか。誰かにあったら聞いてみようとか。
好きだから、のあとに続く言葉は幾らでもあって、
むしろ言葉で言えないことの方がたくさんあるような気がして。
後から振り返ったら間違ってるような、恋だとか愛だとか、そんなもんを眺めながら、
桜が綺麗だねとか、4月も終わるねとか、そんなことを言いながら、
結婚したよとか、子供が産まれたよ、なんていう報告をときおり聞いて、
私もどこかの群れの中、あーだこーだと暮らしていく。
たぶん。
2019.4.20
高田馬場 プロト・シアター