太陽



入江監督の映画は、
なんだか不思議な映画だ。

どちらかというと感情移入はしない。
なんというか、ただひたすらに
「目撃」を繰り返してしまう。

物語がはじまっても
映像の向こう側の世界は日常で
みている私はなんだか取り残されているような気持ちで
客観的に向こう側をみている。
みさせられている。


引き画、そして長回し。
それは意図されたカット割りが
もたらす効果とは別のものを生み出す。

妙なリアリティが、
私を「目撃」してしまった気分にさせる。


詳細は決して見えてこないのに
確実に何が起こっているのかはわかる。

表情や個人にはフォーカスしないが、
その場所のかなしみやくるしみや叫びが私たちには伝わる。

ニュース番組みたいだな。

遠くで起きている地震や
同じ街の中で起きた事件を
私は知らない。

それでもそれは確かに起きていて、
それを見て私たちはかなしいな、
とか、つらいな、とか思っている。


ニュースでは知れなかった部分まで、この映画は教えてくれる。
誰にも知られず起こってしまった悲劇や結末まで。

やっぱりかなしいな。
私はそう思ってみていた。








This entry was posted on 2016-04-24 and is filed under ,. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. You can leave a response.

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